覚王山とは。

名古屋市の中において独特の雰囲気を持つ覚王山の魅力をご紹介します。

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どの宗派にも属さないお寺 ― 覚王山日泰寺を歩く

どの宗派にも属さないお寺 ― 覚王山日泰寺を歩く

覚王山駅を出て、参道の坂をゆっくり上っていくと、正面に大きな山門が見えてきます。この町の名前のもとになったお寺、覚王山日泰寺(にったいじ)です。毎月21日の縁日でにぎわう場所として知っている方も多いと思いますが、ふだんの日に訪ねると、広い境内は驚くほど静か。ここでは、私たちが何度歩いても飽きない日泰寺の成り立ちと、境内の見どころを紹介します。

どの宗派にも属さない、全国でも珍しいお寺

日泰寺が建てられたのは明治37年(1904年)。目的は、タイ(当時のシャム)の国王から日本に贈られたお釈迦さまの遺骨=仏舎利をお祀りすることでした。特定の宗派が自分たちのために受け取ったものではなく、日本の仏教徒全体への贈り物だったため、お寺もどこの宗派にも属さない「単立寺院」として生まれています。

運営のしかたもユニークです。現在は19の宗派の管長が、3年ごとに交代で住職をつとめる輪番制をとっています。宗派の垣根を越えて守られていることから「超宗派の寺院」と紹介されることが多く、名古屋市の観光案内でも、仏教各派が輪番で管理する日本で唯一の寺院とされています。ちなみに、お寺の住所の「法王町」は、仏を敬う呼び方にちなんだ町名だと名古屋市千種区が紹介しています。

タイとのつながりや「日泰寺」という寺号の意味については、別の記事「日泰寺とタイ王国の縁」でくわしく書いています。

境内の見どころ

山門と二体の尊者像

参道から入ってまず出迎えてくれるのが山門です。門の左右には高さ4.5メートルの木像が立っていて、一見すると仁王さまのようですが、じつはお釈迦さまの弟子の像です。向かって右が、晩年のお釈迦さまのそばに仕えた阿難(あなん)尊者、左が弟子たちの最長老で、お釈迦さまの亡き後に教団をまとめた迦葉(かしょう)尊者。どちらもクスノキの一木造りで、彫刻家・円鍔勝三(えんつば かつぞう)の作品です。怖い顔でにらむ仁王像とは違い、穏やかな表情をしているので、ぜひ見上げてみてください。

本堂

現在の本堂は昭和59年(1984年)の完成で、高さは約20メートル。ご本尊は、仏舎利とともにタイ国王から贈られた、千年を経たと伝わる金銅の釈迦如来像です。本堂の正面には、タイ文字で「釈迦牟尼仏」と書かれた額が掲げられています。これは本堂の完成に合わせてプミポン国王から贈られた直筆のもの。お参りのときに、少し目線を上げてみると見つけられます。

五重塔

本堂の手前に建つ五重塔は平成9年(1997年)の完成。高さは約30メートルあり、参道の途中からも屋根の先がのぞきます。塔の中には写経が納められているそうです。新しい塔ですが、境内の木々に囲まれて、すっかりこの町の風景になじんでいます。

奉安塔

日泰寺でいちばん大切な場所が、仏舎利を納めた奉安塔です。本堂から少し離れた北側にあり、大正7年(1918年)に完成しました。設計は、アジアの建築にくわしかった東京帝国大学教授の伊東忠太。インド北西部のガンダーラの様式を取り入れた花崗岩の塔で、高さは約15メートル。愛知県の文化財に指定されています。

ただし、一般の参拝者は塔のすぐ前までは入れません。少し離れた通天門のところからお参りするかたちになります。塔の前には礼拝のための舎利殿があります。

そのほかに立ち寄りたい場所

  • チュラロンコン大王像:本堂の西側。日タイ修好100周年を記念して昭和62年(1987年)に建てられました
  • 鐘楼:昭和60年(1985年)完成。大晦日には除夜の鐘が響きます
  • 千体地蔵堂:千体のお地蔵さまを祀るお堂。2021年に改修されました
  • 覚春庵:江戸時代初めごろの建築と考えられる田舎家を再建したもので、2024年に落成しました

お参りの前に知っておきたいこと

境内への出入りは朝5時から夕方16時30分まで、拝観料はかかりません。御朱印(300円)やお守りなどの受付は9時から14時までと短めなので、御朱印が目当ての方は午前中の参拝がおすすめです。お彼岸やお盆などの行事のときは、書き置きでの対応になるそうです。

毎月21日は弘法大師にちなんだ縁日で、参道や駐車場にたくさんの露店が並びます。この日は参道が歩行者でいっぱいになるので、車よりも地下鉄で来るのが安心です。また、境内はペットの同伴が禁止、喫煙は山門西側の喫煙所のみと決められています。仏さまの前では手を合わせて一礼、というお寺からのお願いも心にとめておきたいところです。

基本情報

名称覚王山 日泰寺
住所〒464-0057 名古屋市千種区法王町1-1
アクセス地下鉄東山線「覚王山」駅1番出口から徒歩約15分/市バス「覚王山」から徒歩約10分
開門時間5:00〜16:30(御朱印・お守りなどの受付は9:00〜14:00)
休みなし
料金拝観無料(御朱印300円)
駐車場約100台
電話052-751-2121
公式サイト覚王山 日泰寺

時間や料金は変わることがあります。お出かけ前に公式サイトで最新の情報をご確認ください(2026年9月確認)。

参考