この記事は、名古屋市・国土交通省・国税庁の公式サイトで確認した内容(2026年9月26日時点)をもとに編集部がまとめた一般的な情報で、専門家の確認は経ていません。税金は個別の事情で結論が変わります。実際の判断は、税理士や税務署、名古屋市の担当窓口にご相談ください。
だれも住まなくなった実家にも、毎年固定資産税がかかります。「空き家のまま置いておくと税金が上がるらしい」「取り壊したほうが得なのか」。そんな話を耳にして、気になっている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、空き家と税金の関係を、固定資産税と、売ったときの税金の2つに分けて整理しました。実家が空き家になったときの全体の段取りは、親の家が空き家になったら、最初にやることにまとめています。
家が建っている土地は、税金が軽くなっている
固定資産税と都市計画税は、毎年1月1日の時点で土地や家屋を持っている人にかかります。住宅が建っている土地(住宅用地)は、「住宅用地の特例」で税額を計算するもとになる額(課税標準)が軽くなっています。
| 区分 | 固定資産税 | 都市計画税 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地(住宅1戸につき200平方メートルまでの部分) | 評価額の6分の1 | 評価額の3分の1 |
| 一般住宅用地(それを超える部分) | 評価額の3分の1 | 評価額の3分の2 |
敷地の面積が家屋の床面積の10倍を超えるときは、10倍までの部分が対象です。名古屋市の都市計画税の税率は0.3%です。
この特例は、1月1日に住宅が建っている土地が対象です。家を取り壊して更地にすると、住宅用地ではなくなり、土地の税額が上がることがあります。また、年の途中で家を取り壊しても、その年度の家屋の税金は1年分かかります。取り壊しや、敷地の一部を駐車場にするなど使い方を変えたときは、市税事務所に知らせるよう名古屋市は案内しています(千種区の土地・家屋は栄市税事務所の担当です)。
放っておくと特例が外れることも
「家が建っていれば税金は安いまま」とも限りません。2023年(令和5年)12月13日に施行された改正空家法で、手入れが行き届かない空き家への対応が強まりました。
- 特定空家:倒壊のおそれが大きいなど、周囲に著しい悪影響を及ぼしている空き家
- 管理不全空家:このまま放っておくと特定空家になるおそれがある、いわば「特定空家の予備軍」の空き家。改正で新しく設けられました
どちらも、市町村から改善を求める指導を受け、それでも直らないと勧告を受けることがあります。勧告を受けた空き家の土地は、住宅用地の特例の対象から外れます。特定空家の場合は、さらに命令や、市町村による取り壊しなどの強い対応がとられることもあります。名古屋市も、空き家を適切に管理するのは所有者の責務だと呼びかけています。
空き家を置いておくなら、月に1回ほど風を通し、庭木や郵便受けの手入れをするだけでも傷み方が変わります。遠方で通えない人向けの名古屋市の管理サポートなどは、最初にやることの記事で紹介しています。
売るときの「空き家の3,000万円特別控除」
相続した実家を売って利益が出ると、所得税などの税金がかかります。一定の条件を満たすと、その利益(譲渡所得)から最高3,000万円を差し引ける特例があります。国税庁のタックスアンサーでは「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」として説明されています。おもな条件の一部は次のとおりです。
- 1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた家であること(区分所有の登記がされた建物は対象外)
- 亡くなる直前に、亡くなった人のほかに住んでいた人がいなかったこと(老人ホームに入っていた場合も、条件を満たせば対象になります)
- 相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
- 売った代金が1億円以下であること
- 2027年(令和9年)12月31日までの売却であること
2024年(令和6年)1月1日以後の売却では、売ったあと、売った年の翌年2月15日までに家が耐震基準を満たすようにされたり、取り壊されたりした場合も対象に加わりました。一方で、家と土地を相続した人が3人以上いると、差し引ける額は1人2,000万円までになります。
この特例を使うには確定申告が必要で、市区町村が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」を添えます。名古屋市の窓口はスポーツ市民局 地域振興課(052-972-3126)で、窓口に行くときは予約が必要です。確定申告の時期が近づく1月以降は申請が増え、交付まで2週間以上かかることもあると市は案内しています。
細かな条件は国税庁のページで
ここに書いたのは条件の一部です。建物や土地の状態、売り方、ほかの特例との関係など、ほかにも決まりがあります。売る前に国税庁のタックスアンサー(No.3306)を確かめ、税理士や税務署に相談してください。
相談するなら
- 固定資産税のこと:千種区の土地・家屋は栄市税事務所 固定資産税課
- 売ったときの税金:税理士、千種税務署(千種区・名東区の担当)
- 空き家の管理や確認書:名古屋市スポーツ市民局 地域振興課
電話番号や無料相談の日程は、千種区・名古屋市の相続・住まいの相談先ガイドにまとめています。名義が亡くなった親のままなら、売る前に相続登記も必要です(相続登記の義務化、いつまでに何をする?)。
参考
- 土地の評価額と税負担について|名古屋市
- 都市計画税|名古屋市
- 年の途中で家屋を取り壊した場合、固定資産税・都市計画税はいつまで支払う必要があるか知りたい。|名古屋市
- 家屋の取り壊し、増築、改築、用途変更や土地の利用状況に変更があった場合、どうすればいいのか知りたい。|名古屋市
- 空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律について|国土交通省
- 空き家対策 特設サイト|国土交通省
- 空き家の管理でお困りの方へ|名古屋市
- No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁
- 空き家の発生を抑制するための特例措置|名古屋市
- 固定資産税・都市計画税に関するお問い合わせ先|名古屋市
