この記事は、2026年10月からの名古屋市のルールなどをもとに編集部がまとめた一般的な情報です。相続がからむ場合の判断は、個別の事情で変わります。迷ったときは専門家にご相談ください。今後、専門家に内容を確認していただいたうえで更新します。
帰省するたびに、実家のものが少しずつ増えている気がする。押し入れを開けると、何十年も前の引き出物の箱がそのまま積んである。いつか片付けなければと思いながら、どこから手をつけていいか分からない。そんな方は多いのではないでしょうか。
実家の片付けは、始めることより、続けることのほうがずっと難しい作業です。途中で止まらないための段取りを、「いつ」「誰と」「どこから」の3つに分けて考え、最後に名古屋市のごみの出し方をまとめました。
いつ始める?
親が元気なうちが、いちばん楽
できることなら、親が元気なうちに少しずつ始めるのがいちばんです。何が大切で何がいらないかは、持ち主にしか分かりません。親が亡くなってからだと、「これは捨てていいのか」という判断をすべて子どもが抱えることになります。
ただ、親にとってはいまの暮らしの場です。「片付けよう」と切り出されると、自分の暮らしを否定されたように感じる人もいます。最初は「廊下だけ、つまずかないように」「重たいものを下に下ろしておこうか」くらいの、小さな声かけから始めると話が進みやすくなります。
空き家になってからなら、まず期限を確認
親が施設に移った、亡くなったなどで空き家になってから片付ける場合は、先に相続の手続きの期限を確かめておきましょう。とくに相続放棄を考える可能性があるときは、家の中のものを処分する前に専門家に相談してください。財産を処分すると、相続を認めたものと扱われることがあるためです。
期限のある手続きは、親の家が空き家になったら、最初にやることにまとめています。
「今回は1部屋」と決めて、何回かに分ける
お盆や年末年始は、きょうだいが集まりやすい時期です。けれども数日で一気に片付けようとすると、体も気持ちも疲れてしまいます。「今回はこの部屋だけ」と決めて何回かに分けるほうが、結果的に早く進みます。あとで触れるように、名古屋市では粗大ごみの収集が月1回なので、その日程から逆算して段取りを組むのもおすすめです。
誰とやる?
親本人
親が元気なら、主役は親です。子どもは「捨てる係」ではなく、「運ぶ係」「話を聞く係」くらいに考えておくと、ぶつかることが減ります。
きょうだい
きょうだいがいるなら、始める前に一度、全員で話しておきましょう。一人で進めてしまうと、「あれを勝手に捨てた」という行き違いが起きやすくなります。遠くに住んでいて手伝えないきょうだいには、費用を分担してもらう、写真を送って確認してもらうなど、関わり方を決めておくと不公平感が生まれにくくなります。
業者
量が多い、時間がとれない、重い家具がある。そんなときは片付けや遺品整理の業者に頼むのも一つの方法です。名古屋市では、家庭から出るごみを運べるのは市の許可を受けた業者だけです。古物商や産業廃棄物の許可だけでは家庭ごみは回収できない、と市も注意を呼びかけています。頼む前に、次の点を確かめておきましょう。
- 名古屋市の一般廃棄物収集運搬業の許可を持っているか(市は区ごとの許可業者の一覧を公開しています)
- 現地を見て見積もりを出してくれるか。追加料金がかかるのはどんなときか
- 2〜3社から見積もりを取って比べられるか
インターネットで「定額」「即日」「格安」とうたう業者に頼んだところ、見積もりと違う高額な料金を請求された、という相談が名古屋市に寄せられています。「無料で回収します」と回ってくる業者も、許可がなければ違法です。その場で決めず、家族と相談してから依頼しましょう。気になることがあれば、名古屋市環境局の廃棄物指導課(052-972-2683)に問い合わせることができます。
どこから始める?
1. 玄関・廊下・階段
最初は、人がよく通る場所から。床に置いてあるものを片付けるだけで、つまずいて転ぶ心配が減ります。親が暮らしている家なら、いちばん喜ばれる場所でもあります。
2. 使っていない部屋・押し入れ
次は、ふだん使っていない部屋や押し入れです。贈答品、古い布団、しまい込んだ食器など、判断しやすいものが多く、量がぐっと減ります。
3. 台所・洗面所
期限の切れた食品や、同じ道具がいくつもある台所は、片付いた実感が得やすい場所です。ただ、親が毎日使う場所なので、いま使っているものには手をつけないようにします。
4. 写真・手紙・思い出の品
アルバムや手紙、子どものころの作品は、いちばん最後に回します。手にとると思い出話が始まって手が止まるのは、どの家でも同じです。はじめは箱にまとめておき、ほかが片付いてから、時間をとってゆっくり見返しましょう。
捨てる前に、別にしておくもの
見つけたら別の箱へ
- 権利証・登記識別情報、固定資産税の書類
- 通帳、印鑑、証券や保険の書類
- 年金手帳や年金の通知
- 家の図面、リフォームの契約書や保証書
- 鍵(どこの鍵か分からないものも)
家の図面やリフォームの記録は、あとで家を売る、貸す、直して住むといったときに役立ちます。
名古屋市のごみ・資源の出し方
名古屋市では、可燃ごみ、不燃ごみ、プラスチック資源、紙製容器包装・雑がみ、ペットボトル、空き缶、空きびんなど、細かく分けて出すことになっています。分け方に迷ったら、名古屋市の「ごみ・資源分別検索」が便利です。以下は、片付けでよく出るものの扱いです。
粗大ごみ
名古屋市の粗大ごみは、「容量45リットルの指定袋に入らないもの」です。袋の口がしっかり結べない場合も粗大ごみになります。手数料は品目ごとに250円から2,500円までに分かれています。対象の決め方(以前は「30センチ角を超えるもの」)と手数料は、2026年(令和8年)10月に改定されました。以前の案内や古い情報を見るときは注意してください。
- 申し込み:インターネット(名古屋市粗大ごみインターネット受付、24時間)か、粗大ごみ受付センター(0120-758-530、携帯電話・県外からは052-950-2581。9:00〜17:00、土日・年末年始を除く)
- 締め切り:収集日の7日前まで。収集は地域ごとに月1回です
- 支払い:コンビニなどで手数料納付券(250円券・500円券)を買って貼るか、インターネット受付ならクレジットカードなどで払えます
- 出し方:収集日の朝8時までに、指定された場所へ。原則として家ごとの収集です
一度にたくさん出るとき
引っ越しや遺品整理で一度に大量に出るごみ(名古屋市では「一時多量ごみ」と呼んでいます)は、ふだんの収集に何回かに分けて出すほか、次の方法があります。
- 自分で運ぶ(自己搬入):可燃ごみと不燃・粗大ごみに分けて車に積み、ごみを出す区の環境事業所で受付をしてから、指定された工場へ運びます。千種区の可燃ごみの搬入先は猪子石工場です。手数料は重さに応じて10キロまでごとに270円(現金のみ。2026年10月1日に改定)。家電4品目やパソコン、スプレー缶などは持ち込めません。なお、名古屋市は2027年(令和9年)1月ごろから受付の方法を変えると案内しています。出かける前に市のページで最新の手順を確かめてください
- 許可業者に頼む:市の許可業者に「一時多量ごみ等処理申込書」を出して依頼します。部屋の中の整理や運び出しまで頼むかどうかで、料金が変わります
千種区の受付は千種環境事業所(千種区香流橋一丁目1番77号、052-771-0424)です。
市が集めないもの
- エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機(家電リサイクル法の4品目):買い替える店や買った店に引き取りを頼むか、リサイクル料金を払って指定引取場所へ運びます
- パソコン:メーカーの回収などを利用します
- 新聞・雑誌・段ボール:市の収集はありません。町内の集団資源回収に出すのが基本で、ほかにスーパーの駐車場などで開かれるリサイクルステーションや、古紙リサイクルセンターも使えます。古着などの衣類・布類も、集団資源回収では透明か半透明の袋に入れて出します
ごみのルールは変わることがあります。片付けを始める前に、名古屋市の公式ページで最新の情報を確認してください(2026年9月確認)。
片付けは、実家のこれからを考えるきっかけ
ものが減ってくると、実家をこれからどうするか(住む・貸す・売る)も見えてきます。家の中が片付いているほうが、どの道も選びやすくなります。相談先は千種区・名古屋市の相続・住まいの相談先ガイドにまとめました。「実家と住まいの相談室」では、今後、片付けや住まいの相談にのっている方にも話を聞いていく予定です。
参考
- 家庭ごみ・資源の分け方・出し方|名古屋市
- 粗大ごみの分け方・出し方について|名古屋市
- 令和8年10月から、粗大ごみの対象が変わります|名古屋市
- 粗大ごみ処理手数料の例|名古屋市
- 粗大ごみをインターネットで申し込む場合|名古屋市
- 粗大ごみ受付センターへ電話で申し込む場合|名古屋市
- 引越しや片付け、遺品整理などで一度に大量に出るごみ(一時多量ごみ)の処理|名古屋市
- ご自分で処理施設に搬入する場合(自己搬入)|名古屋市
- 各区の環境事業所|名古屋市
- 市の許可のない回収業者には粗大ごみなどの処分を頼まないで|名古屋市
- 家電リサイクル法対象機器の処理方法|名古屋市
- 家庭用パソコンリサイクル|名古屋市
- 新聞・雑誌・段ボール・衣類・布類などの分け方・出し方|名古屋市
