覚王山とは。

名古屋市の中において独特の雰囲気を持つ覚王山の魅力をご紹介します。

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織田家の城跡に鎮まる森 ― 城山八幡宮と末森城址

織田家の城跡に鎮まる森 ― 城山八幡宮と末森城址

覚王山駅から東へ6分ほど歩くと、広小路通の北側にこんもりとした森が見えてきます。石段を上った先にあるのが城山八幡宮。名前に「城山」とあるとおり、ここは戦国時代、織田信長の父・信秀が築いた末森城(すえもりじょう)の跡地です。深い空堀がいまも残る境内を歩きながら、この丘で起きた織田家の物語をたどってみましょう。

信秀が築いた末森城

末森城が築かれたのは天文16年(1547年)。尾張で力を伸ばしていた織田信秀が、それまでの古渡城から本拠を移しました。東山の丘陵の南の端にあたるこの場所は守りに強く、三河方面の松平氏や今川氏に備える、尾張東部の要となる城でした。

城には信秀とともに、妻の土田御前、息子の信行(信勝)、娘のお市の方らが暮らしたと伝えられています。のちに浅井長政に嫁ぎ、戦国の世を生き抜くことになるお市の方も、幼いころこの丘で過ごしたのかもしれないと思うと、少し景色が違って見えてきます。一方、兄の信長は那古野城を任されていました。

兄弟の争いと城の終わり

天文18年(1549年)に信秀がこの城で亡くなると、家督は信長が継ぎ、末森城には弟の信行が入りました。柴田勝家ら父の代からの家臣の中には、型破りな信長より信行を推す者もいて、やがて兄弟は対立します。弘治2年(1556年)の稲生(いのう)の戦いで信行方は敗れ、その2年後の永禄元年(1558年)、信行は清須城に呼び出されて命を落としました。主を失った末森城は、そのまま廃城になったといわれます。城として使われた期間は、わずか10年ほどでした。

ちなみに、信秀の菩提を弔うために信行が建てたのが、本山の近くにある桃巌寺です。末森城とあわせて訪ねると、織田家の足跡がよりはっきり見えてきます。

名古屋でいちばん戦国の姿を残す城跡

末森城は、標高43メートルほどの丘を利用した平山城で、東西約200メートル、南北約160メートルの広さがありました。本丸と二の丸を二重の堀が囲む、複雑なつくりだったそうです。天守のような建物は残っていませんが、地形そのものが城の骨格をいまに伝えていて、名古屋市内では戦国時代の城の姿をもっともよく残す城跡として知られています。

ぜひ見てほしいのが空堀です。二の鳥居をくぐると、深い堀をまたぐ反り橋があり、上から見下ろすと、ここが本当に城だったことが実感できます。神門の南側の広場が本丸の跡、境内の南西にある昭和塾堂のあたりが二の丸の跡とされています。空堀の脇には末森城址の碑が立っています。

城跡に移ってきた八幡さま

城山八幡宮は、もとから城の中にあった神社ではありません。もともとは城山の北東のふもと、300メートルほど離れた場所で、古くから土地の守り神として祀られていた八幡社でした。明治時代に村内のいくつかの神社をあわせてお祀りするようになり、明治41年(1908年)には、信行が城内に建てたと伝わる白山社も合祀されます。そして昭和11年(1936年)、氏子の人たちの寄進によって、飛び地の境内だった末森城跡に社殿を移しました。

お祀りしているのは誉田別命(応神天皇)をはじめとする八幡の神さま。厄除けや交通安全、縁結びのご利益で親しまれ、7月15〜17日の茅の輪くぐりや、秋の七五三の時期には多くの参拝者でにぎわいます。元日の朝には、空堀のあたりから東山の丘陵に昇る初日の出が見られることでも知られています。

境内で立ち寄りたい場所

  • 連理木(れんりぼく):本殿の裏手の参道沿いに立つアベマキの古木。高さ約15メートルで、市内最大のアベマキとされます。地上3メートルほどで二つに分かれた幹が、上でふたたびひとつにつながっていることから、縁結びのご神木として信仰を集めています(6月中旬〜10月中旬は害虫対策の養生期間)
  • 昭和塾堂:昭和3年(1928年)に愛知県が青年教育の施設として建て、翌年に落成式を行った建物。塔を中心に翼が伸びる独特な姿で、昭和42年(1967年)から八幡宮が管理しています
  • 空堀と反り橋:末森城の遺構をいちばん体感できる場所です

境内は約1万坪あり、都会の真ん中とは思えないほど緑が深い森です。覚王山の参道のにぎわいから少し足をのばして、戦国の丘を散歩してみてください。

基本情報

名称城山八幡宮(末森城址)
住所〒464-0045 名古屋市千種区城山町2-88
アクセス地下鉄東山線「覚王山」駅2番出口から東へ約300m(徒歩約6分)/地下鉄東山線・名城線「本山」駅1番出口から西へ約300m(徒歩約6分)
時間参拝 5:30〜20:00(名古屋コンシェルジュの掲載)/ご祈祷の受付 9:15〜16:00(祭典・行事の日を除く)
休みなし(ご祈祷は祭典・行事の日を除き毎日受付)
料金参拝無料
駐車場あり(正月三が日と夏祭りの期間は車の通行が制限されます)
電話052-751-0788
公式サイト城山八幡宮

時間などは変わることがあります。お出かけ前に公式サイトで最新の情報をご確認ください(2026年9月確認)。

参考